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2009年2月24日 (火)

映画 パンズ・ラビリンス

パンズ・ラビリンス(El laberinto del fauno)

製作国 メキシコ  スペイン アメリカ 

監督 ギレルモ・デル・トロ 

公開 2007106 

上映時間 119 

  

   非情と幻想と人情の織り成すコラボ映画

舞台はスペイン内戦。1944年。日本が敗戦した年は1945年。選挙で正当に政権を確立した人民戦線の左翼政権と、その転覆を謀った右翼のフランコ派による内戦だ。

そのところを舞台にした作品では「誰がために鐘は鳴る」「ミツバチのささやき」が思い出される。

「ラビリンス」というとお子様向けのファンタジーという感じがする。パッケージからしてもその思いを固めてしまう。まったく予備知識のないままなにげなく見ていて、意想外の展開に感動を倍加することが、気まぐれな私にはときどきある。まさに本作品はそのような楽しい発見に遭遇するもので「これは大人の映画だったのか!」と歓喜してしまうのである。

本作品はけっしてお子様向けのものではない。むしろできればR―13にでもしたほうがいいと思うくらいだ。ヴィダルが無抵抗の農民の鼻先をワインボトルの底で打ち潰し、苦しませてから銃で撃ち殺す。同じくヴィダルによる拷問で抵抗勢力の若者がボロボロにされる。これらはけっして未成年者たちには見せたくないものだ。

その軍人の非情な行為が少女の幻想シーンを際立てるし、抵抗勢力の人々の心をいっそう温かく感じさせてくれる。非情と幻想と人情のトライアングルなコントラストが腹の底から胸に向かってジワジワと感動のバイブレーションを立ちのぼらせてくれるのだ。

ある意味、軍人役のヴィダル(セルジ・ロペス)の名演技といえる。非情残忍で人間の心なんてまるっきり理解できず、軍人たるものの生き方を偏狭的に信望している姿が心を掴む。

このヴィダルと美少女オフェリア(イヴァナ・バケロ)がキャラ的には対等に競り合っているのだ。オフェリアの魅力は天性のものであり、年齢的なもの(ロリータ・エイジ)であるのに対し、セルジ・ロペスの演じるヴィダルは俳優としての鍛錬の見事な成果である。

大人に見せつける少女の幻想世界。かつてこのようなコラボ映画は私は思い出せない。子ども向けと誤解されやすく、それによって手に取らない大人、間違って手にしてしまう子どもがいるだろうと思うと少し残念である。

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